水谷隼 打ち返す力 卓球ドイツ戦逆転劇

東京2020オリンピック男女混合ダブルス準々決勝ドイツ戦

3-3で最終第7ゲームまでもつれ込んだ。

スコアは2-9で負けている。卓球の国際大会でここから逆転した事例はほぼ0%

伊藤美誠選手もあきらめていて、ドイツ選手は「よし勝った。この勝負はもらったぞ」という顔をしている。

スコアが2-9(卓球は11点先取)ならどの選手もあきらめてしまうが、水谷選手は「まずは1本を100%取りに行こう!」と気持ちにグッと切り替えた。

伊藤選手に対しては、「いいよ。1本ずつ行こう」「よし、まだまだいけるよ」と声をかけた。

2-9だった得点差は、二人の踏ん張りにより、とうとう6-9まで詰まった。

このころは、伊藤選手の気持ちは水谷選手と完全に同じだった。

しかし、ドイツが1点を取り、6-10でマッチポイント。

ふざけるな!こんなところで負けてたまるか。火だるまになった気持ちで戦った。

なんと最終第7ゲームで私たちはマッチポイントを7回跳ね返したのだ。

勝負の勝敗を考えるよりも、流れに身を任せながら、目の前の一本を刹那的に取りに行く。

この姿勢がドイツ戦勝利へとつながったのではないだろうか。